服部シライトのローカルな覚書

福島県の大学と自治体に所属しながら、 地域が抱えている課題に取り組んでいます。国内外の論文や著書をベースにした知識とノウハウの紹介と、実際に地域で実践しているプロジェクトについて発信します。

中越から見る地域づくりの本質④ 地域との関わり方

最近よくテレビや雑誌などで目にしませんか?

田園回帰、ローカル〇〇、コミュニティビジネス、リノベーションなど

 

これは若者から大人まで農村に対する

関心が高まっていることを示しています。

地域おこし協力隊が増えているのも

この潮流のひとつですね。

人気ブロガーのイケダハヤトさんも、

「まだ東京で消耗してるの?」

というキャッチーな言葉で、

東京よりも田舎の方が住みやすく、

お金を稼ぐことも出来るし、

チャンスもたくさんあると

田舎の暮らしを進めています。

https://www.amazon.co.jp/【電子版特典付き】まだ東京で消耗してるの?-環境を変えるだけで人生はうまくいく-幻冬舎新書-イケダハヤト-ebook/dp/B01BUUQG9W

 

関係人口という考え方も出てきています。

https://www.amazon.co.jp/関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション-田中輝美/dp/4863241186/ref=sr_1_1?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1544489395&sr=8-1&keywords=関係人口論

 

雑誌ソトコトでは毎月のテーマをもとに、

各地のコミュニティの在り方や

美しい関係性、新しい働き方などを

紹介しています。

https://www.amazon.co.jp/ソトコト-2019年1月号/dp/B07JZBRGX1/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1544489744&sr=8-2&keywords=ソトコト

 

中越では宮本匠さん

京都大学防災研究所 特定研究員)が、

外部支援者の分類として整理しています

f:id:osakeherasu:20181211103145j:plain

出所:稲垣文彦ほか『震災復興が語る農山村再生 地域づくりの本質』p228を模写

オープナーは(開く人)はOpen(開く)を人称形にした造語で、開く人を意味する。ボランティアのように、その地域を訪れるなど想像もできなかった人である。彼らは集落に入ることで集落を外に向かって開き、住民の価値認識を揺るがす外の風を持ち込む。多くの外部支援者は当初、オープナーと言って良いだろう。共通体験の量は少なく、ビジョン共有志向度も低い。

ビジター(訪問者)は、地域行事などの機会に頻繁に訪れ、地域をにぎやかにする。共通体験の量は多いが、ビジョン共有志向度は低い。

パートナーは、住民との共有体験を重ねながら、住民とともに地域の将来を模索する。共通体験の量は多く、ビジョン共有志向度も高い。

スペシャリスト(専門家)は、自らの専門性を持って地域の取り組みを具体的に支援する。訪問頻度は低く、共通体験の量は少ないが、集落の将来を一緒に考えるという意味で、ビジョン共有志向度は高いと言える。

『震災復興が語る農山村再生 地域づくりの本質』227-228ページ

 

多くの方は最初オープナーです。

そこから交流や対話を通して、

地域の魅力や可能性に触れたり、

また地域の方の集落への思いや

これからのビジョンに触れることで、

ビジター、パートナー、スペシャリスト

へと移り変わって行きます。

 

また地域側の立場で外部支援者を

巻き込んで行きたいのであれば、 

「またここに来たい」と思って

もらえるような体験づくりと、

これからの地域の将来像と

そのために必要なミッションを

語れるようにしておくことが必要です。

 

パートナーにあたる

地域おこし協力隊を足掛かりに

するのもひとつの手かもしれません。