都市農村交流を目指した廃校利用(千葉県鋸南町)
「都市農村交流」というキーワードは、
中山間地域で地域づくりの話し合いの中で
よく出てくるテーマです。
廃校利用においても「都市農村交流」を
テーマとした施設は多く見られます。
今回はその中でもモデルケースとなりうる、
千葉県鋸南町 都市交流施設・道の駅安田小学校を
東京農業大学の豊島まゆみさん(博士課程)の
「廃校を活用した地域活性化に関する研究」
論文を参照して取り上げたいと思います。
廃校を利用した「道の駅」が登場!12月11日、千葉県の南房総にある安房郡鋸南町に都市交流施設「道の駅 保田小学校」がグランドオープン。旧体育館を使った直売所や、教室を使った宿泊施設も。http://t.co/iDpvtUHO97 pic.twitter.com/MnvZEzpMHD
— Webマガジン コロカル (@colocal_jp) September 19, 2015
千葉県鋸南町
2017年4月現在の人口は8,308人、高齢化率は44.0%。
町の主産業は農業・水産業と観光業である。
出所:豊島まゆみ 『廃校を活用した地域活性化に関する研究 –千葉県鋸南町「都市交流施設・道の駅保田小学校」事例』p2
地域活性化における多様な国の枠組み
鋸南町の特徴②「外部専門家の積極活用」
鋸南町の特徴③「担当者の固定化」
廃校活用を考えつづけ、積極的に専門知識を外部に求める姿勢を維持し、人材を探し続けることで、人が人を呼ぶ好循環を生み出すことができたという。また、行政側に、民間企業での勤務経験がある職員を事業期間を通じて配置しており、外部人材と行政の間や、施策間の連携をとる役割を一貫して果たしている。
②民主導の「都市農村共生・対流総合対策事業特徴」(農水省)
③官民連携の「実践型地域雇用創造事業」(厚労省)
都市交流施設・道の駅保田小学校の開業年である平成27年度から平成29年度に実施している事業である。地方創生の新しい拠点と地域資源を活用し、農業・漁業分野の商品開発や、温暖な気候と大消費地に近い立地を生かした交流プログラム開発を推進し、雇用創出と人材育成を目指して いる。
安田小学校のオリジナル商品
せりかなさんが紹介していた、道の駅保田小学校で購入できる道の駅めし。
— 道の駅情報サイト【未知倶楽部】 (@michi_club15) December 17, 2017
他にも小学校をモチーフにしたオリジナル商品が多数並んでいますよ🎵#amanekch #道の駅めし #道の駅保田小学校 pic.twitter.com/X39n6zg1QW
最後に
この論文を見る限り、鋸南町では
国の各省庁が示す方向性や枠組みを
バランスよく組み合わせて廃校利用の
施策を実践しているように見えます。
そこには合併をせず、自主自立を選択した
鋸南町の必死さや危機感を感じます。
次回は別の論文を参照して
より具体的な保田小学校活用の実情を
追って行きたいと思います。