【若新雄純】福井県鯖江市のJK課から産学官連携を考える
女子高生がメンバーとなって、まちづくり
活動を始めた日本初のプロジェクトです。
みなさんもテレビや新聞で見かけた
ことがあるのではないでしょうか。
アメブロを更新しました。 『鯖江市役所JK課・「全国地域づくり推進協議会会長賞」受賞』 https://t.co/PHAom3XMPF
— 牧野 百男 (@hyakuo) November 15, 2018
このプロジェクトは、
「全国地域づくり推進協議会会長賞」
ふるさとづくり大賞「総務大臣賞」
を受賞しています。
このプロジェクトを企画・実施したのは
若新雄純さん。
傍観者になるな
— 清水淳一@ 読書×人材業界の採用✖︎新規事業 (@432jun1) August 25, 2017
〉いじめの取材をしても、いちばん罪づくりなのは、まわりにいて黙って見ているだけの傍観者です。そこで「やめろよ」とか発言すれば、その状況が改善するかもしれないのに。
堀潤×若新雄純「論破禁止ゼミ」の狙いを聞くhttps://t.co/Lrs01h3FNP
慶應義塾大学の特任准教授であり、
様々なプロジェクトを手がけています。
専門は産業・組織心理学、コミュニケーション論。
若新さんの手がけるプロジェクトを掘り下げる事で、
若新さんのエッセンスや他のプロジェクトでも
役に立つようなポイントをピックアップして
いきたいと思います。
①プロい市民とゆるい市民
まちづくりの場合、既存勢力として、市の職員や議員、地域活動に熱心な「プロい市民」がいます。一方で、まちづくりに関係なく暮らしている「ゆるい市民」として、女子高生などがいる。「ゆるい市民」にもっと注目すべきではないかという問題意識の中で、僕が鯖江市に提案し、2014年に始まったのが、女子高生がまちづくりに参加する「鯖江市役所JK課」です。
事業構想 2016年5月号より
JK課の提案に対して職員や議員は反対。
しかし鯖江市長が理解してくれて、
市長からのトップダウンによって実現しました。
多くの地域は、「市民が主役」と言いながらも、実際に主役を任せることはなかなかできていません。「JK課」の活動内容は、メンバーである女子高生が自分たちで決めます。
ゆるい市民である女子高生をかたい組織の行政
がサポートする事で、行政サイドに変化が。
若新「実は職員1人ひとりがかたいのではなくて、市民や地域の側に「公務員はこうあるべき」という考えが強くあって、職員の行動が抑圧されていたのかもしれません。もちろん、税金や市民の個人情報を扱うような部署には、それをしっかり運用するための「かたさ」が必要だと思いますが、高橋さんが所属する市民協働課では、市民とどうやって垣根を越えて柔軟に連携するかがテーマです。ひとくくりに公務員といっても、「ゆるい」から「かたい」まで、いろんな役割があっていいと思います。そういった公務員のあり方の多様化も、JK課を通して見えてきたということですよね。」
②大人が教育しない
①で起きた、かたい行政に起こった変化には
運営サイドのルールが不可欠です。
それは「教育」という考え方を手放す事です。
若新「JK課をスタートさせた時の運営側のルールとして、「大人が教育しない」とか「大人がルールを押し付けない」ということを徹底してもらうようお願いしました。あの時、高橋さんは「市役所に出入りするからには、挨拶だけはちゃんと教えたい」と挨拶にこだわっていました。でも、「挨拶も、ひとまず教えずに待ってほしい」とお願いしました。」
教育を手放すことは、女子高生・行政職員
どちらにとっても、良いことがあります。
女子高生にとっては、成績が付かないので、
大人や先生を気にすることなく、良い子ぶる
ことなく、言いたいこと、やりたいことを
素直に活動の中で発揮できます。
行政職員にとっては、大人がルールを押し付け
てはいけないということで「どう女子高生と
接すれば良いのか」と途方に暮れるところから
スタートになります。
しかしこの悩みながら活動をしていくことで、
行政にありがちな「前例踏襲主義」や、
行政ならではの思い込みやルールに縛られること
なく、本質的に活動を進めることができるように
なります。
①と②を見ていて興味深いのは、
教えることを手放すことで、
子どもはより多くのことを学び、
また大人も一緒になって学ぶことが
できるということです。
学校の先生や行政職員は、教育を手放すこと、
活動や事業に成果をつけないこと、に対して
抵抗感があるようですが、これから産学官連携
プロジェクトを実施していく上でヒントに
なりそうです。